2011年02月13日

命の授業 No44

今日は、99歳の現在も現役医師として

活動を続ける日野原重明氏が

子供たちに向けて行った

「命の授業」をご紹介します。


☆★☆★☆☆★☆★☆


僕はいま人生において最も大切だと思うことを、
次の世代の人に伝えていく活動を続けているんです。

僕の話を聞いた若い人たちが何かを感じ取ってくれて、
僕たちの頭を乗り越えて前進してくれたらいいなと。

その一つとして僕は二年前から二週間に一回は
小学校に出向いて、十歳の子どもを相手に
四十五分間の授業をやっています。

最初に校歌を歌ってもらいます。
前奏が始まると子どもたちの間に入って、
僕がタクトを振るの。

すると子どもたちは外から来た年配の先生が
僕らの歌を指揮してくれたというので、
心が一体になるんですね。


僕が一貫してテーマとしているのは命の尊さです。
難しい問題だからなかなか分からないけれどもね。

でも「自分が生きていると思っている人は手を挙げてごらん」
と言ったら、全員が挙げるんです。

「では命はどこにあるの」って質問すると、
心臓に手を当てて「ここにあります」と答える子がいます。

僕は聴診器を渡して隣同士で心臓の音を聞いてもらって、
このように話を続けるんです。


「心臓は確かに大切な臓器だけれども、
 これは頭や手足に血液を送るポンプであり、命ではない。
 命とは感じるもので、目には見えないんだ。

 君たちね。
 目には見えないけれども大切なものを考えてごらん。

 空気見えるの? 酸素は? 風が見えるの? 

 でもその空気があるから僕たちは生きている。
 このように本当に大切なものは
 目には見えないんだよ」と。


それから僕が言うのは


「命はなぜ目に見えないか。
 それは命とは君たちが持っている時間だからなんだよ。
 死んでしまったら自分で使える時間もなくなってしまう。

 どうか一度しかない自分の時間、命をどのように使うか
 しっかり考えながら生きていってほしい。

 さらに言えば、その命を今度は自分以外の何かのために
 使うことを学んでほしい」


ということです。

僕の授業を聞いた小学生からある時、手紙が届きましてね。
そこには


「寿命という大きな空間の中に、
 自分の瞬間瞬間をどう入れるかが
 私たちの仕事ですね」


と書かれていた。
十歳の子どもというのは、もう大人なんですよ。
あらゆることをピーンと感じる感性を持っているんです。

僕自身のことを振り返っても、
十歳の時におばあちゃんの死に接して、
人間の死というものが分かりました。
子どもたちに命の大切さを語り続けたいと思うのもそのためです。


『致知』2008年12月号
特集「心願に生きる」より

☆★☆★☆☆★☆★☆


素敵なお話ですね!

大切なものは目には見えないもの。

こんな授業を自分も受けてみたかったです。


日野原先生のお話で、

命を大切にする人達が一人でも多くなる事を願います。


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この記事へのコメント
大切なもの

それは目には見えない

感じとるもの

いつも 意識していたいと思います

そんな純粋でニュートラルな自分でいつもいたいですね!
Posted by かつ at 2011年02月13日 07:34
はじめまして☆

日野原先生のお話し
貴重ですね。

私も書き留めて
心に刻みます。

ありがとうございました☆
Posted by Happy@Idumi at 2011年02月13日 07:52
かつさん

コメントありがとうございます。
感じ取る感性が大切なんですね!
Posted by yoshiyoshi at 2011年02月15日 22:08
Happy@Idumiさん

コメントありがとうございます。

素敵なお話ですよね!
また覗きに来て下さい。
Posted by yoshiyoshi at 2011年02月15日 22:13
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